2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧
22 「宇宙っていいよね! 光って速いよね! 五十六億七千万年後に人類を救う〜 えっ?それってぼくのこと?(弥勒菩薩)」 という曲で鮮烈なデビューを飾ったのは、僕のいとこの安夫だった。 安夫は幼いころから病弱で、よく胃潰瘍になっていたが、そんな安…
21 彼のリストカットはすごかった。あまりのすごさに人々は彼を「リストカット界の切り裂きジャック」と呼ぶようになるほどだった。 「だめだだめだ!そんなことじゃ一流のリストカッターにはなれないぞ!」 彼のひらいた「リストカット教室」にはたくさんの…
20 節分の日に、豆をなげつけた相手が、本当の鬼だった。鬼はすでに父を食い殺し、鬼のお面をつけてあたかも父であるかのように僕らを騙したのだ。 「鬼を甘く見ていたようだな、人間ども」 鬼はつけていた面をゆっくりと外しながら、そう言った。 「さあ、…
19 アウトドアは、人間をひたすら外に追い出そうとするドアだった。 「はいったと思ったら外だったあ!」 と人々を驚かせたものだ。 一方インドアは、人間をひたすら中に追いやろうとするドアだった。 つまり現在地球にあるドアは、全てこの両者の中間にある…
18 「エレベーターが六階に止まったり止まらなかったりィィィィ!!!」 いつかエレベーターが降りる用と昇る用に分けられる日が来るのではないか、そんな予感に慄く甲斐さんは、六階に止まったり止まらなかったりするエレベーターに乗って安心するのだった…
17 スイスの時計職人はこう指摘したという。 「24時まで目盛りがない時計はおかしい」 「そうだろうか?別に12時まででもいいんじゃないか?ジョゼフ」 「いやだめだ。部屋に閉じこもって生活が乱れている人間は、八時でも朝の八時なのか夜の八時なのかわか…
16 おばあちゃんがアイ・コンタクトをとりはじめた。 アイ・コンタクトで異星人とのコンタクトをとるおばあちゃんが激増したのだ。 「基本的に、異星人とのコンタクトは全て目で行わなければならない。ところでもっともおばあちゃんから遠い概念はなにか?そ…
15「おじいちゃんが5人いたりいなかったりィィィィ!!!」 ミサイルにおじいちゃんおばあちゃんを縛り付けて飛ばす「迎撃反対作戦」が開始された。 しかしそのプロジェクトの中心となったイタリア長介博士がわけのわからないうわ言を呟くようになったのだ。…
14 軍需産業のボスが逆ミサイルの開発に成功したという。 「これは発射ボタンを押すと10分以内に我が国に落ちてくるという画期的なミサイルです」 それを聞いた合衆国の軍人たちは席から立ち上がって口々に言った。 「それは一体何の意味があるのかね?」 「…
13 「我々の世界などトランプと同じ、キングはひっくり返ってもやはりキングであるように、だれが勝者になったとしても変わるのは上か下かだけなのだ。だから革命など意味を為さない」 というのが大貧民の自説だった。 それは大貧民による革命の様相を呈して…
11 北朝鮮がさらに分裂して「北北朝鮮」と「北南朝鮮」になった。 それはまるで北朝鮮による革命の様相を呈していたという。 さらに右金正日と左金正日による会談が行われたが、双方がまったく逆の主張をしたため、交渉は決裂したのだった。 北北朝鮮は恐ろ…
10 北九州の子どもたちが、「九州は南にあるのに北がつくのはおかしい」と言って親たちを困らせはじめた。 しかもイントネーションを「き(ド)た(ド)き(ド)ゅ(ド)う(ド)し(ド)ゅ(ド)う(ド)」と全て同じ音程で発音しはじめたのだ。 それはまる…
9 「ズボン」のことを「パンツ」と皆が言い始めたのはいつからだっただろうか? しかもイントネーションを「パ(ド)ン(ド)ツ(ド)」と全て同じ音程で発音しはじめたのは? それはまるでパンツによる革命の様相を呈していた。 いままでの「パンツ」はどう…
8外人が英語を喋らなくなった。 生まれた直後に英語を喋ろうとする外人がいなくなったのだ。 それはあたかも外人によるストの様相を示していたという。 いつしか英語がこの地上からなくなるのではないか、という声が巷に溢れはじめた。 「これは早急に手を打…
7サラリーマンが会社に行かなくなった。 起きた直後に会社に行こうとするサラリーマンがいなくなったのだ。 それはあたかもサラリーマンによるストの様相を示していたという。 いつしかサラリーマンがこの地上からいなくなるのではないか、という声が巷に溢…
6家の夫が念願のマイホームに火をつけはじめた。 「あなた!なにをやってるんですか!」 「信子…おれはな、この日のためにおまえと結婚し、こどもをもうけたのだ」 夫はこちらを振り返らずに、言った。 炎が赤く夫の頬を照らす。 「パパやめてー!」 まだ幼…
5おばあちゃんが大根を漬けはじめた。 寝ようとする前に大根を漬けはじめるおばあちゃんが出現したのだ。 それはあたかもおばあちゃんによるテロの様相を示していたという。 おばあちゃんは寝ようとすると、大根を漬けはじめ、新たに畑からとれた大根もまた…
4ドア信子が家の夫に牙を剥きはじめた。 寝ようとして夫を握りつぶしてしまうドア信子が出現したのだ。 それはあたかも信子によるテロの様相を示していたという。 夫が寝ようとすると、にぎりつぶし、新たに結婚した夫もまた握りつぶされる。 「わたしの乳首…
3人間が家のドアノブに牙を剥きはじめた。 あけようとしてドアノブを握りつぶしてしまう人間が続出したのだ。 それはあたかも人間によるテロの様相を示していたという。 大家がなおそうとすると、自爆し、新たに入居した人間もまた牙を剥きはじめる。 「この…
2家のドアノブが人間に牙を剥きはじめた。 あけようとして血まみれになる小学生や主婦が続出したのだ。 それはあたかもドアノブによるテロの様相を示していたという。 お父さんがなおそうとすると、自爆し、新たに設置したドアのドアノブもまた牙を剥きはじ…
1駅の自動改札が人間に牙を剥きはじめた。 挟まって血まみれになるサラリーマンやOLが続出したのだ。 それはあたかも自動改札によるテロの様相を示していたという。 駅員がなおそうとすると、自爆し、新たに設置した自動改札もまた牙を剥きはじめる。 「この…
ダダイズムの資料を公開しているサイトを発見した。 アイオワ大学が運営しているようだ。 「391」などの雑誌がページ毎にかなり見れる。 http://sdrc.lib.uiowa.edu/dada/index.html
パスワードを忘れていたためログインできなかったのであった。ところで桜の木は雨にぬれると幹の色が黒く沈むが、当然のことながら花は変わらず綺麗に咲いているので、そのさまはまるで「腹黒い女」の様だ、と思う春なのだった。