Inventionのための23のVarietions

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アウトドアは、人間をひたすら外に追い出そうとするドアだった。
「はいったと思ったら外だったあ!」
と人々を驚かせたものだ。
一方インドアは、人間をひたすら中に追いやろうとするドアだった。
つまり現在地球にあるドアは、全てこの両者の中間にあるドアだ、ということになる。まあ、シーソーゲームのようなものだよ、両者が均衡をたもっているからこそそれらは0になる。すなわち実際には存在しなくなる、というわけだ。我々の住む宇宙もこれと同じなのだ。とホーキングはかせは機械の声で言った。というか彼は機械のほうが本体で、人のほうはカモフラージュであるらしい。
宇宙人にさらわれてキャトル・ミューティレーションされ、そうなったのだ。
大槻教授なんて大っ嫌いだー!」
というのが彼の口癖だった。
「機械はいいぞう。飯を食う必要がないし、なんでも機械の調子のせいにできるからね」
だが、今のホーキングはかせは五号目だ、ということは本人は知る由も無かった。
そして、大槻教授が実はホーキングはかせを改造した張本人だ、ということも。