Inventionのための23のVarietions

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「おじいちゃんが5人いたりいなかったりィィィィ!!!」
ミサイルにおじいちゃんおばあちゃんを縛り付けて飛ばす「迎撃反対作戦」が開始された。
しかしそのプロジェクトの中心となったイタリア長介博士がわけのわからないうわ言を呟くようになったのだ。
「おじいちゃんが5人いたりいなかったりィィィィ!!!」
最初は上滑り気味のギャグだと思っていた研究員たちも、博士にはなにかが見えているのではないか、という疑いを胸中に抱く様になったのだった。
「飛ばされたおじいちゃんが5人くらい現れたり消えたりするのではないか?」
「ではなにかね?イタリア博士には幽霊がみえているとでもいうのかね。そんな非科学的なことを言っていてはいけないよ君。あれはおじいちゃんおばちゃんを縛り付けて飛ばすミサイルを開発してしまったことによる自責の念から幻覚が見えているのだよ」
というのが精神分析医のコメントだった。
そうして対策をうとうとしたが、「ミサイルはもうできてるし、まあいいんじゃない?」という上層部の判断によってなあなあになったという。
その後革命が起こり、おじいちゃんミサイルという非人道的兵器を開発した責任をとらされるために民衆たちに捕まったイタリア長介博士。彼が望んだ死刑の方法は、自分の開発したミサイルに縛り付けて飛ばされることだったという。