Inventionのための23のVarietions

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軍需産業のボスが逆ミサイルの開発に成功したという。
「これは発射ボタンを押すと10分以内に我が国に落ちてくるという画期的なミサイルです」
それを聞いた合衆国の軍人たちは席から立ち上がって口々に言った。
「それは一体何の意味があるのかね?」
「それは一体何の意味があるのかね?」
「それは一体何の意味があるのかね?」
「それは一体何の意味があるのかね?」
「それは一体何の意味があるのかね?」
「まずひとつにはテロの自作自演に非常に効果的です。更にこれを普通のミサイルとして売ることで反アメリカ勢力を自滅させることができます」
「なるほど」
そう言ってアメリカ大統領は逆立ちをした。すると他の者たちも机に乗って逆立ちをしはじめた。
「よし!逆ミサイルを大量にイスラム諸国に売り飛ばすのだ!」
血が逆流して真っ赤な顔になりながらも大統領は上機嫌で指令を下した。
「わーい」
「わーい」
「おめでとー」
「おめでとー」
彼らは逆立ちしたまま拍手しようとして、全員机から転がり落ちた。
「アハハ、イッケネー」
だがこのとき彼らは気づいていなかった。
逆ミサイルをさらに逆にして飛ばせばそれらは全てアメリカに向かってくるということに。それはまさしく世界帝国に対する革命の様相を呈していたという‥‥