Inventionのための23のVarietions

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スイスの時計職人はこう指摘したという。
「24時まで目盛りがない時計はおかしい」
「そうだろうか?別に12時まででもいいんじゃないか?ジョゼフ」
「いやだめだ。部屋に閉じこもって生活が乱れている人間は、八時でも朝の八時なのか夜の八時なのかわからない。そうだろう?マイケル」
冬の朝。時計職人はとうとう24まで目盛りがある時計を開発したのだった。
だが、24時という時間は存在しないということに、彼は気がつかなかった。
存在しないはずの時間を存在させてしまったことにより、彼は「失われた時の技師」と呼ばれるようになった。
この時計職人の発明は人々を驚かせた。なによりも「24時○分」を存在させたのは彼が初めてだったからだ。
「彼があたらしく時を造ったことにより、一日が一時間ほど増えた様な気がするようになった。ところでもっとも時計から遠い概念はなにか?それは『ちんこ』である、という結論に我々は達した」
というのがNASAのコメントだった。