アイスクリームで日出づる国の天子の肖像を形作ったのに朝になるといつも溶けていた。
「まあ日が出づるんじゃしょうがないだろ」と言った父の口元にはいつも白いものがついていて、聞き質した私だったが、「子供の頃に飲んだ脱脂粉乳の名残りだ」と言って彼は聞かなくて、それに怒った私は彼を冷たくした。「やがて日出づるから」と騙された男の生白い両足がはみ出ていて、おばあちゃんの形見の入れ歯が、コップの底で震えていた。