今週のお題「イヌ好き?ネコ好き?それ以外?」パン話

 テオブラストスが『メガラ誌』のなかで述べているところによると、彼はネズミが走りまわっているところを観察して、それが寝床を求めることもなく、暗闇を気にすることもなく、また美味美食と思われているものを欲しがりもしないのを見て、自分のおかれた状況を切り抜ける手だてを見出したということである。ある人たちによれば、彼は粗末な上衣(tri/bwn)を二重折りにして着用した最初の人であったが、それはそうせざるをえなかったからであるし、またそのなかに身体を包んで眠るためでもあった。また、彼は頭陀袋(ph/ra)をたずさえていたが、そのなかには自分の食糧が入っていた。さらに彼は、どんな場所でも使って、食事をとるのにも、眠るのにも、あらゆることに供し、そして対話した。
 あるとき、アレクサンドロス〔大王〕が彼の前に立って、「余は、大王のアレクサンドロスだ」と云ったら、「わしは」と謂う、「犬のディオゲネースだ」。どんな振舞いをするから犬と呼ばれているのかと尋ねられて、彼は謂った、「ものを与えてくれる人たちには尾をふり、与えてくれない人たちには吠えたて、悪者どもには咬みつくからだ」。『ディオゲネース伝』
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/sophists/diogenes.html

 スヌーピクスが『ガメラ誌』のなかで述べているところによると、彼は人間が走りまわっているところを観察して、それが寝床を求め、暗闇を気にし、また美味美食と思われているものを欲しがるのを見て、自分のおかれた状況を切り抜ける手だてを見出したということである。ある犬たちによれば、彼は粗末な犬小屋を無理やり豪華に改装して生息した最初の犬であったが、それはそうせざるをえなかったからであるし、またそのなかに身体を包んで眠るためでもあった。また、彼は皿をたずさえていたが、そのなかには自分の食糧が入っていた。さらに彼は、その豪勢な犬小屋を使って、食事をとるのにも、眠るのにも、あらゆることに供し、そして対話した。
 あるとき、アレクサンドロス〔犬大王〕が彼の前に立って、「余は、犬大王のアレクサンドロスだ」と云ったら、「わしは」と謂う、「人間のディオゲネースだ」。どんな振舞いをするから人間と呼ばれているのかと尋ねられて、彼は謂った、「ものを与えてくれる犬たちには尾をふり、与えてくれない犬たちには吠えたて、ものを与えた犬には返礼を期待し、それが裏切られると咬みつくからだ」