今週のお題「イヌ好き?ネコ好き?それ以外?」

「犬はいい‥」と言ったのはロバート大佐だった。
「犬は人なつっこいし、とても愛嬌がある。猫などは、こっちが可愛がっていても、ふらふら一人でどこかへ行ってしまう。あれはいかん。だから犬の方が好きなのだ」そう言ったロバート大佐に彼の飼っている一匹の犬がキックをかました。
「イタッ!‥たまにこういう茶目っ気のある行動もとる、そんな動物なのだよ、彼らは」そう言って彼はその犬の頭を撫でようとした。だが犬は彼の手を噛んだ。「イタッ!‥たまにこういう茶目っ気のある行動もとる、そんな動物なのだよ、彼らは」とロバート大佐は言った。「とにかく、犬はいい‥。なんかこう、尻尾が短くて耳がとがっているところとかがいい‥あと、よだれをたらしたりとか鼻が湿っているところとか」ロバート大佐は、もう一匹の犬に「なあ、お前もそう思うだろう?」と訪ねた。
「私は猫の方が好きだ」と彼の飼っている犬は思ったという。

Henri Cartier-Bresson
”William Faulkner” 1947