高尾さん

「高尾さん、今日は話があってここにあなたを呼んだの…」
「僕に話ってなんだいマチ子さん」
「私、本社営業部第一課に配属された時からあなたのことが…」
「ぎゃー」
「高尾さーん!」
「へんしん!」
カタカタ。カタカタカタ。
解説しよう。マチ子は、危険を察知するとキーボードに変身するのだ!
「おや、本社営業部第一課のマチ子くんじゃないか。さすがOLの鏡だなあ、自らキーボードになってまでエクセルを使いこなしたいとは」
(しまった、横須賀課長…。どうしよう、一回キーボードに変身したら二十四時間は元に戻れないわ)
「さて、マチ子くんの心意気に答えて、私が君の色々な場所を叩いてあげようか、クックックッ…キーボードを叩いたことが問題になるわけもあるまいからなあ、ムハハハハハハ」
「なにをしているんですか、横須賀課長」
「だれだ!き、君は高尾くん?いましがたなにかしらの事件に巻き込まれたはずでは?」
「…あれはうそですよ、横須賀課長。あなたの正体を暴くためのね!」
「な、なにい?それならば口封じとして君には死んでもらおう!」
「ぎゃー!」
(高尾さーん!)
「へんしん!」
ジャーン!(起動音)
解説しよう。高尾は、危険を察知すると一昔前のiMacになるのだ!
「さすが社員の鏡だなあ、自らパソコンになってまでわが社のIT化を推し進めたいとは。これでキーボードとパソコンがそろったじゃないか。それでは御両人を接続するか、クックックッ」
(接続?それって高尾さんと一つになるっていうこと?ありがとう、横須賀課長!)
(ありがとう)
こうして二人の結婚式の仲人は横須賀課長になったのです。