今週のお題「父親/父の日」

ゴッドファーザーにまるめこまれた責任を挽回しようとした父は、はらたいらさんに三千点を賭けて全財産を失ってしまったのだった。父が破産して床に小便を撒き散らしたときはらたいらさんは悪魔のように笑ったと言う。「かくなるうえは自害するしか」と言って父は腕をまくり、包丁を床にセットしてそこに向かいほふく前進をし始めた。「介錯して仕る」とうわごとを呟きながら突進する父。「介錯して仕る」とうわごとを呟きながら母がそれに続いていった。だが包丁まで後2cmのところで、父は突然起き上がり、「やっぱり死ねないんじゃーい」と叫んで床に包丁をぶっ刺した。この時、床に隠れて秘かに三十年間くらしていたおっとりオットセイさん(48)の額に包丁が丁度突きさったという。「ぐわあああ」とおっとりオットセイさんは叫んで死んでいった。「ん?今なんか変な声がしなかったか?」と父は言った。「きっと幻聴ですわ」と母は答えた。「そうか。それなら安心だ」と父は言って、包丁を空中に投げて、腹を上にして床に寝転んだ。「これなら逝ける!」と父は言った。だが包丁が落ちてくる後2cmのところで、父は華麗に包丁をキャッチし、「やっぱり死ねないんじゃーい」と叫んで壁に包丁をぶっ刺した。この時、壁に隠れて秘かに二十三年間くらしていたみっともナイチンゲール(51)の額に包丁が丁度突きさったという。「ぐわあああ」と叫んでみっともナイチンゲールは死んでいった。
「あなたに死ぬ勇気がないなら私が殺してあげますわ」と言って母は父の腹を切り裂いた。「ぐわあああ」と叫んで父は死んでいった。お腹を切り裂くと中から大量のお札が出てきた。
「こんなところにヘソクリを隠してたのね」と母は不機嫌に言った。