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2 昭和三十年代、くわを振り下ろした拍子になかから出てきたのは夫婦だった。
振り下ろした人は腰を抜かしてその場に尻をついた。
だが、夫婦は何も言わなかった。封印期間が長すぎてよくわからなくなっているのだ。
こうしてこの夫婦は町の名所となって日々十五人位の観光客がくるようになった。
ある日、観光客が「ガンダーラ」を口ずさんだ。
「その歌、誰の曲だっけ？」と女が訪ねた。
「ゴダイゴ」
それを聴いた瞬間夫婦の両目は光り、比叡山に向かって飛んでいった。
比叡山に向かった夫婦のその後は、誰も知らないという。
3 昭和三十年代、ある夫婦のもとに、何かが空から落ちてきた。
それはカラーＴＶだった。この夫婦は子どもを作りたかったがなかなかできなかったので、このカラーＴＶを子どもとして育てることを決心したという。
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