おれの足には

おれの足には地雷が埋め込まれている!電車内で誤っておれの足を踏もうものなら即ドカンだ。きっと合宿の日、おれの睡眠中にムサシ博士が手術したのだ。
「てめえ!人の足に地雷を埋め込みやがって!満員電車に乗れなくなったじゃないか!」
「まあまあ、透視能力もつけといたからそんなに怒らないで」
「えっ、そうなの?じゃあいいよ」
「眉毛を思いっきり引っ張ると透視できるから」
「わーい」
おれは早速道行く婦女子の前に立ち、眉毛を思いっきり引っ張った。
途端にその婦女子の姿が消えて、向こうが透けて見えた。
「てめえ!裸が見れないじゃないか!」
「服だけ消えるなんて、そんな都合のいいものは創れないよ、これ科学の限界(そして終焉)!」
「人の足に地雷しかけてその上無駄な透視能力も付け加えやがって、許せん!」
「まあまあ、予知能力もつけといたからそんなに怒らないで」
「えっ、そうなの?じゃあいいよ」
「耳たぶを思いっきり下に引っ張ると声が聞こえてくるから」
「わーい」
おれは早速外に出ると耳を引っ張った。
ニュージャージーのトラック運転手ジョニー・デイビスは明日心臓発作で死にます」
「釜山のGMに勤めている李さんは明日蛸を食べます」
「てめえ!おれとぜんぜん関係ないやつの予知なんてどうでもいいんだよ!」


(つづくやらつづかないやら)