「資本主義」や、それらが育む社会の生態系に、抵抗として語られる言葉たち。(とはいえ、これはずっと昔からあったことなのかもしれない)
身体や精神分析、制度、美学、それら様々な位相にまたがりながらも飛び上がり、ぐるぐる回り続け、やがては衛星軌道上で遥か高みから地球を眺めるだけになるだろう彼らは、あまりにも豊か過ぎる。だって坊や、それじゃあ回収不能だよ!
と、私には思われるのだ。
貧しさに踏みとどまるべきだ、とは言えない。それは選択できることではないから。


「聖者の行進」は黒人霊歌だった。奴隷たちは死者の葬儀の時、街を練り歩きこの歌を歌った、といいます。
それを見た白人は「彼らは人が死んだのに喜んでいる野蛮人だ」と考えた、といいます。
この逸話を美学化してはならないが。そうすることなく如何に一人で行進するか?

地獄、二首
十万世界、尽乾坤、水火、寒温、人の命根。
看よ看よ、米殻の閑田地、是れ衆生の地獄門。
一休宗純「狂雲集」中公クラシックスp173)