笑いの神はどこにいる?

私の友人で、ごくたまにだが、奇蹟を起こす人がいる。絶対にあり得ない様なタイミングで面白いことが(その場の文脈に見事に適合した偶然が)起こったり、サッカーの試合結果(前半に何点はいり、後半に何点はいるかまで)を当てたりする。もちろん本人には「神秘」的、「オカルト」的要素は全くといっていいほど欠けているのだが、不思議で仕方ない。更には、そうした奇蹟が起こる前、私にも「ああ、起こるだろうな」という「確信」の様なものがあって、そしてその様な確信がある時は、やはり起きるのである。これは一体何?
かなり前だが、「ガキの使い」で山崎邦正がココリコの田中と「どっちが面白い事が書いてあるTシャツをひくか」という企画をやっていて(台の上に幾つか伏せられたT シャツが置いてあり、順番に一枚選んでいく)、田中がまあそれなりに面白い事が書いてあるのを選ぶのに対し、山崎邦正は可哀想なぐらいサムイのを選んでしまう。無論「やらせ」である可能性も高いけど、こうした事はしかし「笑い」においてたまに起こりえるのである。それらは、そこに文脈がなければ(そして文脈と「奇跡」の間に関連をもたせてしまう人間がいなければ)当然「奇跡」として意識されることは無い。でもやっぱり不思議だ。特にあの「確信」、偶然であるにもかかわらずそれを必然であるかのように感じてしまう予期現象、あれは何なのか。これは私の思考の錯誤なのだろうか。
私はユングはよくわからないけど、あの人にまつわるあり得ないようなエピソードはわりと信じてしまう。やばいかな。しかし、ユングがそれを説明しようとすると、「神秘主義」に陥ってしまうことはいうまでもない。こうしたことを分析するのはもっと別の方法があるはずだ。それが何かはわからないけれど。